【古物商】使用承諾書は不要 ただし使用承諾は必要

賃貸マンションで古物商を開業する場合、使用承諾書が必要ですか?

使用承諾書という書面は必要ありません。ただし、家主の使用承諾は必要です

コロナ禍で副業を考える方も多く、メルカリやアマゾンを利用して中古品を安く仕入れて高く売る、いわゆる「転売」を始めたいという相談をいただきます。

こうした売買を繰り返して収入を得る場合は「古物商」の許可を取得しなければなりません。
必要書類を管轄の警察署へ提出した後、40日程度で取得出来るのですが、その前提条件として、古物商として事業を営む【営業所】を設定する必要があります。

営業所という言葉から「オフィスを借りなければならないのか?」「会社を設立しなければならないのか?」と気にされる方もいらっしゃいますが、古物商は個人事業主として、かつ自宅を営業所と定めることで手軽に開業することができます。

ただし自宅が「持ち家」でない場合は少々ハードルが高くなり、例えば賃貸マンションの場合は、家主に了承を得なければなりません。

以前までの古物商許可必要書類の中には、家主から承諾を得た証明として「使用承諾書」というものがありました。

住宅用マンションの場合、多くは契約書で「住宅用」と定められており、そのままでは営業所として使用することができません。そのため、家主に事情を伝えて使用承諾書に署名押印をもらい、特別に許可してもらうという形での許可が一般的でした。

ところが現在では、府警ホームページで公開されている古物商の必要書類の中に、この「使用承諾書」の文字はありません。

ご自身で調べられた方からは「使用承諾書が無いから、大家から許可を取らなくても古物商が出来るようになったんですよね?」と相談を受ける事があります。
しかし、これに対して私は「使用承諾書の提出が不要になっただけで、使用承諾が不要になったわけではありません」とご案内しています。
というのも、古物商は必要書類一式を提出後、警察が40日程度かけて審査をするのですが、その間に警官が実際に営業所まで確認に訪れ、家主に状況を問い合わせる事があるのです。

当然、何も話を通していなければ家主は「許可していない」と答えるだけですし、そうなれば警察側で要件不足ということで不許可となりえます。(ちなみに書類提出時に警察署に対して19,000円の手数料支払いが必要であり、これは不許可の場合も返還されません)

更に賃貸契約違反として大家(或いは管理会社)から何らかのペナルティが課される可能性があります。

あくまで使用承諾書という書類の提出を求められなくなっただけであり、「家主の許可が必要」という前提条件が無くなったわけではありませんので、この点はくれぐれもご注意ください。

 

当事務所は古物商の許可申請サポートも行っております。書類の収集や作成、営業所にお悩みの方は是非ご相談ください。

お気軽にお問合せください

電話でのご相談は営業時間内(平日9時~20時)での受付となりますが、インターネットからのお問合せは24時間受け付けております。