【建設業】経営業務管理責任者の証明が難しい時

 建設業の新規許可を取得をするためには、いくつもの要件をクリアしなければなりませんが、その中の一つに【経営業務の管理責任者の設置】というものがあります(※2020年7月10日現在)。経営業務管理責任者とは「建設業を営む営業所において、建設業の経営業務を総合的に管理し、執行した経験を有した者」を指し、この経営業務管理責任者になるためには、新規に取得しようとする建設業種を営んでいた法人において、5年以上の役員経験を有する事といった条件が定められています。

 条件そのものも厳しい基準ではありますが、時にその基準を満たしても経営業務管理責任者となることが難しいパターンがあります。

 それは、【役員経験を積んできた会社をトラブルの末に辞め、新たに自身で建設業を始める場合】です。

 建設業の新規許可申請においては、経営業務管理責任者となる人が本当にその経験を有しているかを申請書面上で証明しなければなりません。そしてその証明は申請者自身が行うのではなく、役員経験を積んだ前職の会社に証明してもらうという形式になっています。そしてこの証明のためには前職の会社の押印が求められたり、前職の会社が所有する「該当期間の決算変更届」という書類の提出を求められるのです。

 前職の会社をいざこざの果てに辞めていた場合、書類への押印や資料提出といった協力を求めることは非常に難しく、そのために建設業の新規許可取得を諦めたという話も耳にすることがあります。

 ただこのような状況であったとしても、建設業の許可申請を諦めるしかないのかというと、決してそうではありません。

 例えば証明する会社が、自分の新規建設業許可申請する行政庁と同じ管轄内にある場合、申請先の行政庁内で保管している【該当期間の決算変更届】を担当官に確認してもらうことで、必要な経験年数を有していると見なしてもらえる場合があるのです。(※通常、建設業の許可関係の資料は、提出した会社だけでなく提出先の行政庁にも保管されています)
 或いは、決算変更届を保管している行政庁に対し、情報公開法に基づいて該当期間の決算変更届の開示を求め、それを資料として提出するという手段もあります。

 もちろん都合よく同じ管轄内で管理しているとは限りませんし、情報公開法に基づいた請求では、書類取得まで一か月かかるためにスピーディーな対応が難しいという欠点があります。そもそもこれらはあくまで通常とは異なる非常手段であり、常にこのような手段が認められるとは限りません。しかし「前の会社とは喧嘩別れしたから書類が揃えられず申請できない」と諦める前に、こうした代替手段を模索して建設業の許可申請の取得を目指す事が可能であるということもまた事実なのです。

 今年の秋にはこの経営業務管理責任者の制度を廃止し、新たな経営業務に関する基準を設けるという流れにもなっています。新たな基準が定められた後、一見して無理と思える要件や資料があったとしても、諦めることなくまずはご相談いただければと思います。

 当事務所では建設業の新規許可申請や更新申請、決算変更届の作成・提出代理を請け負っておりますので、お困りの際はぜひご相談ください。

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